9月15日の武蔵野青年会議所主催の市長選挙立候補予定者の公開討論会に出席した。
松下玲子さんが、邑上市長の評価すべき点とした「財政を立て直した」と発言したのには驚いた。財政を立て直すということは、それ以前が財政危機、財政破綻だったということになる。それ以前の市長は、私土屋正忠だったので名誉のために申し上げる。
23年間に渡る市長在任中に財政難や財政危機に陥ったことは一度もありません。武蔵野市の財政力は市民の担税力のおかげで、日本の市の中で常時トップクラスを占めています。
他市もがうらやむような財政力ですから、よほどの放漫経営でもしなければ、財政難や財政危機に陥ることはありません。
歳出についても、私は国に先がけていち早く地方行財政改革を進めると共に職員給与の引き下げ、定数の削減など率先して取り組んできました。全国のモデルだったのですよ。
同時に、吉祥寺駅北口広場に土地収用法を適用して完成。武蔵境北口再開発事業の計画決定、事業実施、北裏区画道路や亜細亜大学通りの全線開通、関前八幡の区画道路整備などの道路事業、都に働きかけ中央線の高架化事業など、街づくりの骨格を作り進めました。
したがって、投資的経費が増え、武蔵野市土地公社の借入金残高は一時300億円を超えたことがありました。一般会計の起債残高と合わせると600億円の時もありました。
一方、市の貯金である各種基金は、常時200~250億ありましたので、差し引き350~400億円が純負債でした。武蔵野市の税収は、350~400億円ですので税収の一年分にしかあたらないわけです。国の借金が税収の18倍ということを考えてみれば、いかに健全財政だかわかります。
当時、市議会で共産党市議が「使っても使っても減らない基金、貯め込み過ぎだ」と主張した程です。市議会の中で財政難という論議があったことは一度もありません。
先に述べた街づくり以外にも、公園、自転車駐輪場、福祉施設、文化会館、スイングホール、芸能劇場、プレイス、図書館ネットワーク、障害者総合センター、千川小、大野田小の建て替えなど、積極的に投資を続けたのも、日本一の財政力なら必ず借金の返済は出来るとの見通しがあったからです。
重ねて言いますが「邑上市政になって財政が立ち直った」ということではなく、もともと健全財政だったのです。逆に邑上市政になって土地公社や一般会計の借金が減っているのは、積極的投資をしないからであります。本来なら、市民の基幹施設である小中学校の全面建て替えを、この12年で2~3校やるべきではなかったのですか。建設以来50年超の学校が増えているのです。
松下玲子さん、12年前と比較して単純に数字を差し引きして「財政を立て直した」というのは小学生でもできる算数です。都議選に落選してから2か月のにわか勉強にしても、公開の場での発言として、財政論としてお粗末すぎませんか