駐日EU大使イスティチョワイヤ閣下ご夫妻と昼食懇談会―アメリカの貿易政策、移民対応、日本の労働市場開放など話がはずんだ
私の誕生日のお祝いをもうけていただいた返礼に大使ご夫妻をお招きして深大寺水神苑にて昼食懇談会を開催した。
緑につつまれた深大寺に参観、若住職が本堂と国宝の青銅釈迦像など案内していただいた。深大寺は1290年余の間に度々火災にあった。その都度、本堂は焼けたがご本尊をいち早く避難させ、時には池の中で守りましたとの説明を受け、深大寺の数々の歴史をお聞きになり大変喜ばれた。
大使の話
・EUはイギリスが脱退して27か国となるが、法の支配と人権、自由と民主主義等を共通の価値観として経済的にも発展してきた。
・難民問題が加盟各国の悩みの種だが、人権を尊重して包摂していきたい。
・アメリカの保護貿易主義政策には反対する。
・最近来日したマハティールマレーシア首相と各国大使の会に参加。安倍総理も出席されたが、アジア各国の日本に対する期待は大きい。特に労働市場開放には期待している。
土屋から
・EUが法の支配と人権尊重、自由と民主主義に基づいて統一の共同体をつくっていることは素晴らしい。国家主権の重要な柱である通貨発行権をユーロに統一したのも歴史的に評価される。
・トランプ大統領は自国の産業を守るため、保護関税をかけているが、デトロイトの周辺の自動車やピッツバーグの鉄鋼など保護関税でもよみがえらないであろう。
・先進国の中で、人口に占める65歳以上の高齢化率がアメリカは18%と低いが、これはメキシコ等からの移民が原因だ。米国社会の若い活力は移民が担っていると言っても過言ではない。ちなみにヨーロッパ各国は22~25%、日本は27%だ。
・日本の出生数は97万人、死亡者数は130万人。毎年40数万人の減少だ。人手不足も深刻、今まで以上に労働市場を開放することは必然。
等々、日本と大使の出身国のルーマニアのことなど話題がはずんだ。食事開始から2時間半があっという間に経ってしまった。名残惜しかったが、EUと日本の友好と再会を期してお別れした。緑濃い日本の夏を大変喜んでおられたのが、強く印象に残った。