3.11東日本大震災から10年。語るべきことが無数にある。深く心に残るのは途方もない悲劇に遭遇し、生き延びた東北の人々の崇高な精神です

3.11東日本大震災から10年。語るべきことが無数にある。深く心に残るのは途方もない悲劇に遭遇し、生き延びた東北の人々の崇高な精神です

3.11東日本大震災の政府追悼式をテレビで見ながら、当時の記録や写真集をあわせて見て、深い思いに駆られます。その中で強く印象に残るのは、被災された方々の姿です。

支援物資が届くと、きちっと列を作り、子どもが後から来ると前に入れてあげる。悲しみに耐え、深く内省し整然と振る舞う東北の人々の姿が目に焼き付いています。

米軍の40日にわたる“トモダチ作戦”に従事した軍人が帰国して、米国連邦議会に報告をしました。

「私は世界中に救援活動に行ったが、我先に支援物資を受け取る姿が普通だ。避難民は極限の状態におかれているのだから止むを得ないと思っていたが、列を作って整然と並ぶ人たちを初めて見た」

「ヘリに乗って帰ろうとした時、砂浜で手を振る人々がいる。まだ救援を待つ人がいるのかと思ってよく見たら、流木でARIGATOと書いてあった。勇気をもらった」と。

被災地には多くの国々から大勢の人たちが救助・救援に来ましたが、それらの方々に対する最大の御礼か、被災されてもなお、胸衿を失わない方々の人間力でした。