松下玲子前市長が吉祥寺駐輪場を隣地所有者に売却した件の住民訴訟、本日第10回口頭弁論が行われた-論点が出尽くし、結審が近いと感じます

松下玲子前市長が吉祥寺駐輪場を隣地所有者に売却した件の住民訴訟、本日第10回口頭弁論が行われた-論点が出尽くし、結審が近いと感じます

前回、被告側から提出された準備書面について、以下の通り反論しました。(要点)

1.被告は、不正確な情報で市議会や市の財産価格審議会や監査委員をミスリードした。

①被告の当初の主張は、都は土地の鑑定を一者に依頼している。都を参考にしたと主張。-原告の調査によれば、都建設局は複数の鑑定士に依頼し、適切な価格を決めている。

②今まで、武蔵野市の土地を限定価格(隣地に売却する等の条件を限定した売却)で売却したことはなく、二者鑑定すると混乱するので一者鑑定にした。-原告の調査によれば、過去に水道部で枯渇した井戸用地を旧所有者に売却した時は、三者から鑑定を取り、最高値で売却している事実と異なる。

③以上、不正確な情報で市議会や市財産価格審議会や監査委員に説明し、土地売却をミスリードした。

2.行政の裁量権の範囲について、判断過程で適切に資料を提供し、過誤・欠落がないことが必要(2006年・最高裁判決)。今回は不正確な資料の提出で、判断過程に欠落がある。

3.市の自転車駐輪場は、吉祥寺駅北口から1分、商業地域、容積率600%の超一等地。市が鑑定を依頼した鑑定人の土地の価格が、正常価格で158万円/㎡、524万円/坪では安すぎる。原告(土屋外1名)は小川鑑定人に評価を依頼した。小川鑑定評価は市の所有していた駐輪場の評価を正常価格427万円/㎡、1409万円/坪と評価。これに対して被告は異常に高いと主張。しかし、原告は正当な価格評価であると反論。なお、追加の証拠として吉祥寺駅北口から5分、近隣商業地域、容積率300%の土地が正常価格で365万円/㎡、1206万円/坪で売買された実績を提出した。

4.市が過去に民法の契約で任意に売却した土地の例はあるのかと原告が求めたところ、武蔵境北口の区画街路と市道12号線の例をあげてきた。これらは何れも道路法に基づき、代替地として提供したものであり、吉祥寺駐輪場の売却とは異なる(市が道路と認定すると、その区域内には建築が出来ない)。今回の隣地所有者の土地は、道路法や都市計画法によって建築制限がかけられた土地ではない。にも関わらず、松下玲子市長(当時)が民法の契約によって任意で売却した。

以上、今まで主張してきたことを補足して延べ「市有地を売却した行政行為は、市長の裁量権の範囲を逸脱し、または濫用したと評価される違法な財務会計行為に当たり、市は相手方(松下前市長)の不法行為責任に基づき、相手方に対し、損害賠償を請求する義務があるものである」と主張した。

次回は7月2日(火)午前11時から 
東京地方裁判所 民事第二部 第703号法廷 
なお、次回で結審の予定