汚名を受けても国の将来のために~民主党政権で財務大臣に就任、消費税8%へ道筋~与謝野馨先生、お別れ会

汚名を受けても国の将来のために~民主党政権で財務大臣に就任、消費税8%へ道筋~与謝野馨先生、お別れ会

7月5日与謝野馨先生を偲ぶ「お別れの会」が、青山葬儀場で挙行された。

安倍晋三総理を始め、衆参両議長、各党代表が参列し、与謝野先生のご業績とお人柄を偲んだ。

与謝野先生は当選10回、内閣官房長官を始め、財務大臣等を歴任された。経済財政、税制のプロ中のプロだった。

私は自民党税制調査会会長時代に、税調の一員としてご教授いただいた。

その際、同僚の新人議員が「税制にとって一番大切なみとは何ですか」と質問した。与謝野先生の答えは「モラルです」だった。

国民の懐に手を入れて、税を徴収するのだから国民のすべての層を見渡し、公平に負担してもらうためにモラルが必要だとおっしゃりたかったのだろう。

白眉なのは、民主党政権になっても、自民党を離党し病身をおして内閣府担当大臣として「社会保障・税一体改革担当大臣」として活躍され、消費税5%→8%→10%への道筋をつくったことだ。

自民党から見ると背信行為とうつったのだが、与謝野先生のお気持ちは「民主党政権で消費税増税の道が開かれるなら、日本国の財政再建につながる」との気持ちだったと忖度する。

「汚名は一身のもの政治は国家国民のもの」ときわめて高い志を内在していたに違いない。

自民党は先生の病が重くなってきた今春、復党を認め、先生を自民党葬とした。

深く心に思いが満ちたお別れ会だった。