天皇・皇后両陛下、ベトナムご訪問の旅へ~110年前のベトナム独立運動、東遊運動を朝日新聞が特集

天皇・皇后両陛下、ベトナムご訪問の旅へ~110年前のベトナム独立運動、東遊運動を朝日新聞が特集

本日、天皇・皇后両陛下はベトナムへご出立された。

 昨日2月27日付朝日新聞朝刊社会面で、「110年前ベトナムの青年200名が日本へ渡った~東遊運動の証し今も」と特集記事を組んだ。

 この記事によれば

①フランスからの独立を指導したファン・ボイ・チャウさんが、1905年武器援助を求めて日本に来日し、大隅重信や犬養毅ら有力者を訪問した。

②日本政府はフランスとの関係を懸念し、「まずは人材育成を」と諭し、ベトナム青年200名を日本に留学させた「東遊運動」の始まりだ。

③1907年日仏協約が締結されると、仏政府は日本側にベトナム青年の帰国を要請。

④危機に立った東遊運動を救ったのが、静岡県袋井市出身の医師浅羽佐喜太郎だった。

⑤袋井市民有志と共に「浅羽ベトナム会」を結成し、チャウ氏達留学生を支援したという。

⑥その後チャウ氏は家族と別れ、革命の道を進み幽閉されたりしたという。

⑦1918年チャウ氏は日本を再訪し、浅羽佐喜太郎氏の墓のある袋井市常林寺に「報恩の記念碑」を建てた。

⑧長く埋もれていた歴史だが、注目のきっかけは2001年ベトナム留学生が卒論で、チャウ氏を調べるため袋井市を訪れたことだった。

⑨これをきっかけに袋井市は募金活動を展開、ベトナムの山岳地帯に小学校を完成させた。

以上が記事の概要だ。

 

 振り返るとチャウ氏が来日した1905年は、日本が日露戦争に勝利した年だ。この勝利は両国だけでなく、黄色人種の日本が白人国家ロシアを破ったことで全世界に衝撃を与えた。そういう時代背景が、チャウ氏の訪日に結びついたのだろう。

 天皇・皇后両陛下は、今回のベトナムご訪問の際、3月4日にフエ市でフランスからの独立を指導したファンポイチャウの記念館をご訪問されるという。