「昭和20年3月10日の東京大空襲、3時間で10万人の人々が犠牲になった。国で慰霊碑を建立するべきだとの陳情」

「昭和20年3月10日の東京大空襲、3時間で10万人の人々が犠牲になった。国で慰霊碑を建立するべきだとの陳情」

総務省の公務の中に、恩給や戦災被害者の慰霊という仕事がある。

都内下町にお住まいのTさん87歳は、東京大空襲によってご家族3人か犠牲になったことを深く心に刻んで、国で慰霊碑を立てるべきだと度々陳情されている。

全国で米軍の空襲を受けた都市は113。各々の市でなんらかの慰霊碑がある。

広島、長崎、沖縄には、各々平和を祈念する公園があるが、いずれも市や県が建設し、慰霊碑も地元自治体が建てたもので、国が建てたものではない。

東京都では墨田区の横網町公園をつくり、そこに慰霊施設をつくっている。

しかしTさんは、

①  横網町公園は元陸軍被服廠跡地であり、大正12年関東大震災で5万人を超える人が亡くなった慰霊堂が先に出来た。

②  昭和20年3月10日の戦災の追悼施設は、あとに出来たものであり、一番の被害があったのは墨田区ではなく江東区だ。

③  国家が戦争をしたので、国が慰霊碑を立てるべきだ

との強い主張を述べた。

副大臣室で、松島みどり衆議院議員立ち合いでお目にかかった時は、丁寧にご説明をして、国立の慰霊碑はどこにもないこと、歴史に定着した事柄を、戦後70年の今改めて、国立の施設をつくることは困難と申し上げた。

そして改めて「紋切り型」の回答ではなく、私の名前で総務省の見解を差し上げるお約束申し上げた。少し納得されたようだ。

本日午後、墨田区の横網町公園の関東大震災と東京大空襲の追悼慰霊施設を関係職員と共に訪問し、心からの慰霊を祈念した。

関東大震災は天災、東京大空襲は米国による周到に準備された戦争被害だが、2つの事変に共通するのは被害の凄惨さと甚大だ。焼野原とおびただしい遺体をみると今日でも心に迫るものがある。

これらの日本民族の受難の歴史を風化させず、若い世代に伝えていきたい。

今日の現地視察をもとに、Tさんにお手紙を差し上げたい。

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<東京都復興記念館にて>

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【2016年6月21日(火) 副大臣公務日誌】

(午前)

(議員会館にて)

●今般のマイナンバーカード発行に係るJ-LISの対応について(レク)

●行政書士総務大臣表彰式表彰状授与式について(レク)

●種々打合せ(日程、報告等)

(午後)

(東京都横網町公園にて)

●東京都慰霊堂及び東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑を視察