「小型バイク保有税・年額1,000円から2,000円への引き上げ案に、業界から異例の延期要望」

「小型バイク保有税・年額1,000円から2,000円への引き上げ案に、業界から異例の延期要望」

本日の正午から自民党税調小委員会が開催され、国税及び地方税の税目ごとの審議が4時間にわたって行われた。

各項目を網羅した総ページ数は合わせて80ページ。1ページに数項目が並んでいる。税調幹部の案が頭に〇×△と表記されて、全項目で400ページを超える。それを財務省主税局と総務省自治税務局が1項目ずつ説明する。資料が厚いので、通称「電話帳」と呼ばれている。項目別〇×だ。

自民党衆・参の国会議員が入れ替わり立ち替わり、合計200名近い議員が次々と発言する。自民党会館の901号室は一番広い会議室だが、この日ばかりは秘書も入室お断り。要求した各省の役人も入室出来ない。

しかし、各省の要求の背景には各々の業界団体がついているので、選挙で選ばれたばかりの衆議院議員は、発言を求めて挙手が数十人に及ぶことも珍しくない。

政務調査会の各部会長は部会の意見を代表して何回も発言出来るが、その他の議員は1回が原則だ。私も昨年の総務部会長時代は、各項目ごとに発言を続けていたが今回は1回だ。その1回を二輪バイク課税に充てた。

小型バイク(排気量50ccを超え125cc以下または定格出力0.6kwを超え1kw以下のもの)の自動車保有税は市町村税だが、長い間、年額1,000円に据え置かれてきた。ただし、現在ではナンバープレートの製作付与など費用が1,000円を超え、費用が税収を上回る「原価割れ」が起きている。

一番お金がかかるのはナンバープレートだが、これがないと道路交通法の取り締まりも出来ないし、そもそも公道を走ることが出来ない。

昨年の税調で、年額1,000円を3,000円に引き上げる案が出されたが、2,000円にとどめ来年の4月から実施するため、全市町村の98%で条例が可決されいてる。

ところが関係業界の強い働きかけで、「延期案」や「新車から適用せよ」という要請が出てきた。

国権の唯一の立法機関国会で決まった法律をまだ実施してないうちに見直せという。またこの見直しに賛成する議員もいる。

不可解だ。私は反対した。

昨年ならともかく税法が成立し市町村まで条例をつくっているのに、ここでやめるわけにはいかない。税は国民生活に直接影響を及ぶもっとも強制力のある権限行使だからこそ、手続上も内容的にも確たるものでなければならない。直前で実質的な変更をするなら、国家の信用はガタ落ちになるだろう。

まず課税を実施してみて、数年後の議論をすべきである。

明後日の政務調査会の正副会長ほかの裁定が注目される。