高齢者が運転免許を返納したら、生活の足をどう確保するのか―武蔵野市のレモンキャブシステムを全国展開したらどうか

高齢者が運転免許を返納したら、生活の足をどう確保するのか―武蔵野市のレモンキャブシステムを全国展開したらどうか

高齢者が運転する事故が続発して、全国各地で悲劇が起こっている。しかし高齢者が運転免許を返納すれば、買い物や病院通いなど生活していくのに困る。

自民党政務調査会は、政府にタクシーの相乗りや自家用車による有償運送の活用を提言した。しかし地方に行くとタクシーそのものが少ないし、送迎料金など含めると数千円かかる。到底、毎日のように気軽に利用するわけにはいかない。自家用車の有償運送が良いのだがルールと仕組みがないため中々普及しない。
そこで私は十数年前から始まった武蔵野市のレモンキャブシステムをモデルに、地域にあったような形で全国展開したらどうかと提案した。

【レモンキャブ】
①軽自動車を車椅子も乗れるように改造した車両を武蔵野市が購入し、運行管理者に無償で貸し付ける。
②貸し付けを受けて運行管理者は30分800円で利用者を乗せ、通院・買い物・趣味の会等の送迎にあたる。
③利用しようとする市民は社会福祉協議会の会員となる。したがって特定の会員に対するサービスという形をとる。
③運行管理者は地域で商売をしている、米屋、酒屋、燃料店などの生業の傍ら朝、昼、夕方を中心に運行するので、30分800円という利用料金でやっていける。

レモンキャブは民間の力を活用した、最小経費で実施している行政サービスだ。全国各地で展開する時は、個人が所有している車を活用、農業者や家庭の主婦などの協力を得て行えばよいのでは? その際留意すべき点は、万が一に備え責任の所在、充分な保険、運行車の講習だ。国がルールをつくり、地元市区町村に実情にあった計画と管理をお願いすればよい。

国土交通省の自動車局や総合制作局の幹部に、レモンキャブのパンフレットを見せて説明し、早急に取り組むことを要望した。