菅直人氏のヒットラー発言の深刻なところは、20世紀最大の国家犯罪ナチスによるユダヤ人のホロコーストを総理経験の政治家として真正面から取り組んでいないことです

菅直人氏のヒットラー発言の深刻なところは、20世紀最大の国家犯罪ナチスによるユダヤ人のホロコーストを総理経験の政治家として真正面から取り組んでいないことです

歴史家でもなく浅学非才の私が語るのも気が引けますが、ヒットラー/ナチスの国家的、組織的、官僚的なホロコーストから私たちが未来に向かって学ぶべきものは3つあると思います。

① ユダヤ人600万人が虐殺された途方もない民族の受難。重すぎて言葉がありません。当事者でない私たちがどう受けとめるべきでしょうか。

② ヒットラー/ナチスは、89年前の1933年3月26日ワイマール共和国憲法下の議会で成立した授権法(行政権行使の政府に法律をつくる権限を授与する法律)によって合法的に政府が法律を作ることができる権限を得て、やがてヒットラーは総統となりユダヤ人ホロコーストへと進みました。しかしなぜ、少数の狂信者の指導の下に大多数のドイツ国民が従ったのでしょう。少数の狂信者・確信者が競争相手を排除し、全体を狂信者に従わせてゆく。それを阻止する力は何でしょう。個々の人間の力と民主主義的諸制度は狂信者に対抗できるのでしょうか。

③ 現代版ホロコーストはないのでしょうか? 少数民族への弾圧は?その対抗措置は? 民主主義的国際連帯は抑止に機能するのでしょうか? 国連や地域による同盟は?

等々、重い問題が我々日本人にも重石となってのしかかります。

現職の国会議員には、ロシアのウクライナ侵攻が危惧される現在、改めて国家の在り方と国民の関係をしっかり考えて下さるようお願いします。

(注)授権法の正式名称「国民および国家の困難を除去する法律」