盲目のピアニストによるピアノ演奏とトーク、武蔵野市立第五中学校ーシーンとして聞き入る生徒たち

盲目のピアニストによるピアノ演奏とトーク、武蔵野市立第五中学校ーシーンとして聞き入る生徒たち

各学校で文化祭が開かれて、演劇や展示また同時に学習発表と多彩な学校行事が真っ盛り。

ユニークだったのは、武蔵野市立第五中学校の道徳授業地区公開講座での全校生徒を対象にした特別企画、盲目のピアニスト島筒英夫さん(67歳)のピアノ演奏と語り。

2歳で視覚障害、全盲となり、お母さんの勧めで6歳でピアノを始めたという。

「さようならぼくたちの幼稚園」という曲をスタートに、ショパン「スケルツォ」 トビッシー「月の光」など4曲を演奏。曲の合間に「世界がもし100人の村だったら」とトークをすすめる。

生徒の質問に

①点字の楽譜を使って曲を習ったこと ②鍵盤の黒の突起2つと3つを瞬時にさわり判断して弾くこと ③暗闇は怖くない。慣れているから ④視覚障がい者は、一律ではありません。料理をできる人もいます ⑤皆さんも各々個性があって違いますよね

そして、質問する生徒に「その質問は素晴らしい」「的確で貴方は天才ですね」と励ます。長年苦労されてきた、深い慈愛の気持ちがにじみ出る。

物静かな語り、落ちついたゆっくりしたテンポの演奏。多感で正直な中学生が、みるみる引き込まれていき緊張と集中が最後まで途切れない。ピアニスト島筒さんが退場する時の長く続く大きな拍手、生徒たちの感動が伝わってくる。

生徒にとって、生涯心に残る演奏会となった。