日英同盟の復活か。英国がTPPに加入の意向。昨年は日英EPAが締結、本年は日英第4回2+2会議

日英同盟の復活か。英国がTPPに加入の意向。昨年は日英EPAが締結、本年は日英第4回2+2会議

10日開催の自民党政調外交部会で、日英外相会談の内容が報告された。

英国は、ニュージーランドを通じてTPP(環太平洋経済パートナー協定)の議長国である日本にTPPに加入の意志があることを通知し、日本は歓迎の意向を表明した。

TPPは太平洋をめぐるチリ・米国・日本・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド等12か国が数年の長い協議を通じて締結した関税一括引き下げ協定だ。その後、オバマ政権からトランプ政権になるとアメリカンファーストで米国がこの協定から脱退した。しかし、安倍総理(当時)が指導力を発揮して米国抜きの11か国で協定が発効された。

この協定により関税が撤廃され、オーストラリア等から安いオージービーフが日本を席巻した。

大消費国である日本で関税の高い米国牛肉が売れなくなり、オージービーフ一色になると、トランプ大統領(当時)は米国内の農業団体から突き上げられ、急遽、日本と単独でEPA(経済協定)を結んだ。交渉開始以来、数か月で成立した日米EPAは、内容が総てTPPと同様だった。安倍外交がトランプ大統領(当時)に勝利したと関係者から評価された。

数年に渡る交渉の先頭に立った日本側の責任者は、当時の甘利明経済再生担当大臣だった。タフネゴシエーターで、日本の主張がほとんど通った。

この環太平洋経済パートナーシップ協定TPPに、大西洋の英国が加盟したいという。英国がEUから離脱したことが大きな原因か?

また、それと並行して安全保障の分野でも日(外相・防衛相)、英(外相・国防相)の2+2会議が定期的に行われるようになった。2+2の会談は、日本と米国との間で定期的に開催されているが、日米安全保障条約があるから当然だ。しかし、日英で定期的に開催されるのは一歩進んだ関係となる。日本はそれ以外にも、オーストラリアとも2+2の会談を開催して、安全保障の分野の協力を進めている。

さらに英国は香港問題が深刻化した状態を見て、英国主力艦隊のクイーンエリザベス空母打撃群を南シナ海に派遣すると決定した。日本は1902年に日英軍事同盟を締結し日露戦争に勝利を収めたが、120年後の新日英同盟が始まるのだろうか。

なお、フランス海軍の空母、ドイツ海軍のフリゲート艦も南シナ海に派遣されるという。