巨大組織の小回りの効いた柔軟な住民対応ー東京都西部公園緑地事務所建替で、伐採樹木を112本→56本へ

巨大組織の小回りの効いた柔軟な住民対応ー東京都西部公園緑地事務所建替で、伐採樹木を112本→56本へ

井の頭公園内にある東京都西部公園緑地事務所の業務棟が、50年を超えて老朽化したので建て替わります。計画が発表されたのが令和2年6月。建替えに伴って工事区域内(公園部分ではない)の樹木112本を伐採すると、周辺住民に周知しました。

周辺住民は業務用敷地内のことではあるけれども、長年見慣れた愛着ある樹木も多く、さらに公園区域が隣接しているし、下草の中には希少草花もあると指摘し、伐採樹木を最小限にと交渉しました。

都の関係者もさまざまな工夫をして伐採樹木を112本から86本へと減少させました。1年半余り続いた交渉の後、昨年令和4年2月に、いよいよ発注、着工の運びとなりました。

しかし、それでも諦めきれない住民は地元の武蔵野市議会議員に相談しました。小美濃安弘市議から相談を受け、私も現地で立ち会って協議を重ねました。「発注直前なので限界があると思いますが、さらに一工夫、頭の体操をしてくれませんか」と都の関係者にお願いしました。

その結果、一か月後に現場の工事事務所を管理事務所と作業員事務所に分けて、管理事務所は都道をまたいで東側の公園のトイレの横の空き地にという案ができました。伐採樹木は65本に減少していました。これで発注となるところでしたが、資材高騰で競争入札の工事契約が落札出来ず、不調となりました。結果として、一年余り経過し、その間にさらに細かい調整をして、9本削減して56本となりました。

当初の計画から二年半余りの間に、工事に支障をきたすので伐採するとしていた樹木が112本→86本→65本→56本となったのであります。

私も長年に渡って行政に携わっていますが、超巨大組織の東京都職員の柔軟な対応に、驚くとともに感銘を受けました。

ここまで来たのは、周辺住民の働きかけによるところが大きいですが、それにしても都には腕の立つ職員がいるものです。公務員の鑑であります。

武蔵野市はどうだろうか。