尖閣諸島周辺の日本の領海に中国の公船が侵入して、日本の漁船を追い回している。中国政府の広報官は「中国の領海から日本漁船を排除した」と発言―断固抗議を

尖閣諸島周辺の日本の領海に中国の公船が侵入して、日本の漁船を追い回している。中国政府の広報官は「中国の領海から日本漁船を排除した」と発言―断固抗議を

コロナ感染症騒ぎに紛れて、中国公船が尖閣周辺の日本の領海に居座り、あげくのはては日本漁船を追い回しているとの報道。さらに中国政府の広報官は、尖閣周辺の日本領海を中国の領海だと主張し始めた。こういう言動に型通りの抗議しかしないと、中国は更にエスカレートしてきて、既成事実化する。

領海侵犯に対しては、現在の吾が国の法制では海上保安庁の警察行動しか認められていない。海上保安庁には最前線で頑張ってもらいたい。
同時に安倍総理以下、外務大臣、国土交通大臣等、関係の各大臣がきちんとした声明を出し、中国に警鐘を鳴らすことが大事だ。日本はこの問題では決して譲らず、取引はしないことを明言すべきだ。

それにしても残念なことは、平成22(2010)年に起こった、中国漁船が海保巡視船に体当たりした事件だ。9月8日、海保はこの漁船の船長を逮捕した。最初「国内法に基づき粛々と処理」としていたが、当時の菅直人総理は中国の抗議に狼狽えて、9月25日にこの船長を釈放してしまった。これにより中国が得た教訓は「日本は脅せば超法規で譲る弱腰の国家」だという事だ。領海侵犯、公務執行妨害の明らかな事件を有耶無耶にした。菅直人総理の判断は重大な国益を失った大失敗であった。
政府はこの事件を秘匿して我々一般国民はこの事件の顛末を十分知らないまま噂が先行していたが、11月4日に衝突時の映像がYoutubeに流出し、真実の姿を知る事が出来た。その後、海上保安官の一色正春さんが映像を流出を名乗り出た。真実を伝えた一色さんは英雄だが、職務上知り得た秘密を漏らしたとして、国家公務員法違反で懲戒処分を受けた。情けない話だ。その後、この映像は海保の内部では1万人以上が自由に閲覧出来た事が分かった。
中国の船長が無罪釈放され、上海で英雄視される一方、真実の姿を公開した海上保安官が国家公務員法違反で責任を問われる。菅内閣は、この一件だけで失格だと思った。私は当時、浪人していたが、海上保安庁S長官を訪問し「造反有理、愛国無罪」と申し入れた。

国家は国土と国民と合法的に成立した政府の三位一体により成立する。これは近代国家の大原則だ。領土を侵害されることは、国家そのものに対する侵害だという事を、我々国民一人一人が自覚しなければ、重大な危機に立たされるだろう。