中国は国防法を主権や領土に対する侵害だけでなく、分裂の抑止と発展利益が脅威を受けた時、国防動員すると改正した。台湾と南シナ海の活動を視野に入れたのか

中国は国防法を主権や領土に対する侵害だけでなく、分裂の抑止と発展利益が脅威を受けた時、国防動員すると改正した。台湾と南シナ海の活動を視野に入れたのか

世界中がコロナ禍と戦っているドサクサに紛れて、中国は国防法を改正、1月1日から施行した。新しく加わった二つの条項「分裂の抑止」と「発展利益」は台湾と南シナ海等の活動を阻害したものは国防動員(軍事力行使)を行うという宣言に読める。

第二次世界大戦以降、世界各国は自国の主権と領土を守るという自衛の考え方を前面に出しているが、「分裂の抑止」と「発展利益」は中国がそう認定したら、主権や領土の侵害が無くても国防動員するという意味に取れる。力による国際間の現状の変更を、中国の国内法で正当化していることになる。
例えば台湾の蔡英文総統が中国と距離を置く政治的メッセージを出せば、「分裂の抑止」という大義名分で力の介入が出来るということになる。「発展利益」はもっと露骨だ。中国が海外で活動して相手国の排他的経済水域(EEZ)等で紛争が起きれば、発展利益を阻害したのだからと国防動員となる。

中国のやり方は、まず国内法を決める。それを根拠に海外でも行動し「我々は法律に従って行動している」と主張する。中国という異形の隣人と、どう向き合うのか。日本の根本姿勢が問われている。大事な事は経済で中国に過度に依存しない事だ。