ペルーは泣いているー小金井四小の道徳公開講座

ペルーは泣いているー小金井四小の道徳公開講座

小金井市立第四小学校6年生の道徳授業のタイトルは「ペルーは泣いている」だ。ペルーでバレーボールの指導にあたった加藤明さん(アキラ)の実話の教材だ。

母校のバレーボールを学生日本一に導いた加藤明さんはペルーに渡り、ペルー女子チームの指導者となって弱小チームの強化にあたった。

しかし厳しい練習と指導は相当の反発があったが、アキラは「上を向いて歩こう」「さくらさくら」などを選手に教え、一体感を高めていった。

昭和42(1967)年、東京で世界女子バレーボール選手権がありペルーも出場したが、4位に終わった。試合が終わった時、ペルー選手たちによる「上を向いて歩こう」の合唱が始まった。

金メダルを取った日本チームが駆け寄り、金メダルをペルーの選手の首にかけ、一緒に歌い、観客も同調して大合唱となった。

ペルーの選手たちはアキラを父のように思っていた。ペルーの選手は母国に帰り猛練習を繰り返し、その年に開かれた南米選手権では強豪ブラジルを破り優勝した。

昭和57(1982)年加藤明(アキラ)は逝去、葬儀はバレーボールの練習場で営まれ、選手に担がれた棺に数千人のペルー人がお別れを告げた。

新聞は「ペルーは泣いている」と報じた。

スポーツを通じての国際理解の話だ。