トランプ大統領と安倍総理との間に密約かと毎日新聞が特集記事(6月17日夕刊)ー背景に米中貿易・知財戦争があり、トランプ大統領は米国国防権限法で対抗していると書かなくては

トランプ大統領と安倍総理との間に密約かと毎日新聞が特集記事(6月17日夕刊)ー背景に米中貿易・知財戦争があり、トランプ大統領は米国国防権限法で対抗していると書かなくては

6月17日毎日新聞夕刊の記事の論調は

①密約の発表は7月の参議院議員選挙後に延ばされた。再選をめざすトランプと安倍の選挙協力だ。

②密約の内容は、アメリカの農産物の関税を引き下げて、日本は農や食を差し出し、自動車産業を守るということだ。

③8月には新たな段階が明確になる。防衛装備品の輸入拡大・米国企業のカジノ進出。農産品関税の大幅引き下げの3点セットが来る。

と述べている。典型的なステレオタイプの論調だ。

防衛装備品にしても米国製の方が安価で優れている。問題は日本の防衛産業が育たなくては、中長期に見て困る。

アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドの農産品、特に肉製品は極めて安い。輸入するから1000円ステーキが日本人に定着するのだ。どこまでかという国際分業論であり、為替問題とリンクして40年以上に渡って言われてきた問題で決して新しい「ニュース」ではない。

トランプ大統領の3泊4日の来日、大歓迎した安倍総理、当然だ。

世界の現在の局面は、米国が中国に対して貿易の不均衡是正や様々な革新的技術を正当な対価なくして中国が盗んでいるという知的財産戦争が始まっているからだ。

様々な情報を総合すると、中国から来た留学生10万人や研究所に勤務する研究者が米国の最新の知見を中国に送っているという米国の主張だ。これらの不正行為によって、米国の知的財産が不当に侵害されている。中国は盗人国家だとも主張する。その証拠に中国には平和賞をを除いてノーベル賞受賞者は一人も出ていないという。(トランプ大統領側近の話)

米国連邦議会でもトランプ大統領に対する批判はあっても、対中国に対する足並みは一致しているとのこと。

トランプ大統領の武器は米国国防権限法だ。国防上容認できないと思えば、大統領令で禁止できる。HUAWEI(ファーウェイ)の取引制限もこの法律による大統領だ。

この法律は、先日の自民党政務調査会で専門家から話を聞いたが、投資・先端技術・武器・セキュリティー対策などの総ての方面をカバーするスーパー法だ。大統領に国防上の問題ありと認定されたら米国との取引は禁止される。TPPなどの自由貿易とは距離をおく、徹底した管理貿易-アメリカンスタンダードの押しつけに思える。しかし米中関係の延長で世界中にアメリカンスタンダードを押しつけようとしているのだ。

このような幅広く奥深い文脈で考えなければ、トランプ大統領とのディール(取引)はできない。安倍総理はニコニコ笑い、ゴルフをしながらも、米中衝突の波をいかに日本がくぐり抜けられるかを考えているだろう。PPPと関連した関税交渉も当然含まれるだろう。

毎日新聞さん、次の特集では、そこまで調査して書いて下さいよ。読者として一言。