JAXAの「はやぶさ2」小惑星りゅうぐうに二度目の着陸成功。10年前の民主党政権時代、事業仕分けで打ち切られるところだったのを思い出す―政治は見えないモノを見る力が必要

JAXAの「はやぶさ2」小惑星りゅうぐうに二度目の着陸成功。10年前の民主党政権時代、事業仕分けで打ち切られるところだったのを思い出す―政治は見えないモノを見る力が必要

本日の昼のニュースでJAXAから「はやぶさ2」の成功のニュースが届いた。二度目の着陸で、小惑星りゅうぐうの岩石を持ち帰ることが出来そうとの事。世界の惑星探査のトップニュースだ。

この「はやぶさ2」の打ち上げ計画はハラハラの連続だった。10年前の麻生内閣当時、文部科学省は飛行中の「はやぶさ1」の後継機として「はやぶさ2」の打ち上げを計画し、自民党も後押しして平成22(2010)年度予算に、十数億円の当初予算を要求した。ところが2009年秋の政権交代で民主党が与党となると、無駄を省くとの名目で鳴り物入りで事業仕分けが行われた。マスコミにフルオープンで蓮舫さんが予算をバッタバッタとカットして、十数億円の当初予算要求を調査費5000万円に圧縮したのだ。これでは事実上の中止だ。
ところが、その直後奇跡が起こった。宇宙空間を数億キロも周回していた「はやぶさ1」がJAXAの努力によって見事、地球に帰還したのだ。火星の近くまで飛んだ「はやぶさ1」は、途中でコントロール出来なくなっていたが、地球からコントロールして補助エンジンを使い、軌道修正して地球に帰ってきたのだ。そのコントロールの素晴らしさに、世界中の惑星学者が驚愕し賞賛を送った。当時の川口淳一郎チームの勝利だ。
この奇跡をうけて「はやぶさ2」プランが復活、予算計上された。当時、私が注目したのは文部科学省のしたたかな粘り腰だ。当初、要求が十数億円だったと記憶しているが、いつの間にか二十数億円で復活した。文部科学省とJAXAも機を見るに敏だ、やるもんだなあと強く印象づけられた。

スーパーコンピュータ「京」の後継機の予算も事業仕分けで危なかった。蓮舫さんの「スパコンは何故世界で一位でなければいけないのですか? 二位でもよいのでは?」との発言が話題となった。危機感を持ったノーベル賞受賞者の皆さんが働きかけ、ようやっと命ながらえた。スパコン「京」は今でも演算速度や汎用性など世界トップレベルだが、現在後継機として演算速度が「京」の100倍という能力を持つ「富岳」が製造中だ。政治家や政党は未来を展望し「見えないモノを見る力」が必要だ。