EU駐日大使インスティチュワイヤさん、ご夫妻に招かれ懇談

EU駐日大使インスティチュワイヤさん、ご夫妻に招かれ懇談

インスティチュワイヤ駐日EU大使は、ルーマニア国外務省の高官を勤め、その後EUの国際公務員となり、EUの中国大使を8年間、4年前に駐日大使として赴任された。

私が武蔵野市長時代、ルーマニアのブラショフ市と交流を始めた時以来のお付き合いだ。

3年前に岸田外務大臣が主催した前EU大統領歓迎パーティーの席で再会し、旧交を温めた。それ以来、私の誕生日の1月13日前後にご招待を受けてご夫妻と昼食をともにさせて頂いている。

 

大使「今日は安倍総理が現職の日本国総理大臣として初めてルーマニア国を訪問いただける記念すべき日です。両国の今後に期待しています。EUと日本は経済協力協定EPAを結ぶ準備をしております。日本では今国会に掛けられると思います。ご協力をお願いします。EUと日本の自由貿易協定が結ばれれば経済成長に結びつくと思います。」

「ヨーロッパの歴史は移民の歴史です。中東からの難民問題は、移民そのものが問題なのではなく、短期間で100万人以上という急激な数が問題です。シリアなど国内を安定させ、母国に帰れるようにすることが大事です。彼らも母国に帰りたいのですから。」

「現在EU加盟国28か国、そのうち26か国が日本に大使館を置いています」

「EUは経済的、政治的統合に続いて安全保障の面でも枠組みを作り、EU内のテロ対策や域外からの軍事的脅威に統一行動をとるよう軍事的指導体制を作りつつあります。」

「EUは常設軍はありませんが、事態に応じて加盟各国が各々の特徴を生かして、軍事的協力を行います。NATOとの関係は各々目的が異なりますが、共通する部分もあります。」

 

土屋「日本はEUに親近感があります。今年は明治維新から150年ですが、近代国家として出発した時、法制度等お手本としたのは仏、独、英等のEU主要国でした。明治維新以前の江戸時代はオランダが長崎の出島を通じて交流し、ヨーロッパの実情を当時の政府徳川幕府は把握していました。」

「ヨーロッパが中世の100年戦争と第一次、第二次世界大戦を経て、経験を活かし平和的統合を目指してEC、ECC、EUと段階を追って政治統合まで発展したことに注目しています。」「国家の主権を平和的な方法で制限し、共同体をつくり委譲し経済的繁栄と政治的統合、軍事的安定に進むというのは歴史の最前線ですね。」

「日本とEUの経済協力が進むのは賛成です。与野党通じて賛成でしょう成功を祈ります。」

 

EUとロシア、中国等に話題は尽きずに昼食懇談会は、2時間余にわたった。インスティチュワイヤ大使ご夫妻はルーマニア人で、ラテン系の明るいお人柄だ。駐日ルーマニア大使館勤務の経験やEUの中国大使を勤めたご経験もあり、知日家でかつアジアの状況にも詳しい。素晴らしい存在です。4年間の勤務を終え、今夏に帰国されるという。残念その前に再会を期してお別れした。

EU大使