がんの各人に合わせたオーダーメイド治療始まる。ゲノム解析技術と分子標的薬の開発、そのための臨床のデータベース化を

がんの各人に合わせたオーダーメイド治療始まる。ゲノム解析技術と分子標的薬の開発、そのための臨床のデータベース化を

2月13日午後、塩崎元厚生労働大臣が率いる自民党政務調査会のデータヘルス推進特命委員会が開催された。ゲノム医療の第一人者の中村祐輔先生(がんプレシジョン医療研究センター所長)が「これでいいのか日本のがんゲノム医療」と題して、40分にわたってスピーチ。その後、出席の議員と一時間にわたって質疑した。出席した議員は十数名だが、ほとんど医師の資格のある自民党の医療行政のエースだ。

中村先生のスピーチと質疑は極めて専門性の高い内容だが、平均的国民レベルの素人の私は次のように理解した
①がんは早期に発見すれば治癒率は高いが、早期に発見しても膵臓癌のように治癒率が低いがんがある。標準療法の厳戒だ
②これからはがんゲノム医療の時代だ。「がん細胞を見つける」「最適の治療薬を見つける」「免疫療法を提供する」の手順だ
③現在の遺伝子パネル検査は50万塩基で、全遺伝子の1%前後、わずかな遺伝子解析で分子標的治療薬が見つかるのは20~25%
④全ゲノム30億塩基、全エキソンで5千万塩基だが、治療に応用するには全エキソン解析と臨床情報のデータベース化と、人工知能の開発をすれば日本は世界のトップになれる
⑤ゲノム解析技術は2008年頃から急速に進歩をとげて、一症例あたり全エキソン13万円、全ゲノムで53万円になった。がん治療には全エキソン解析でよい
⑥的確な治療法の選択と、新しい治療薬の開発が必要。分子標的治療薬を用いた免疫療法に行くべきだ
⑦ゲノムは個人情報そのものだが匿名化してデータベース化する必要がある

専門用語と数式が飛び交う議論で半分も理解出来るか否か? どうやら遺伝子レベルのゲノム解析治療で、患者の遺伝子レベルに合わせたオーダーメイド医療が始まっているらしい。
米国と中国が進んでいるという。