「新国立競技場問題で犯人捜しをしてもしょうがないと森元総理-正しい指摘だ。2020年に間に合うように総力を結集すべきだ」

「新国立競技場問題で犯人捜しをしてもしょうがないと森元総理-正しい指摘だ。2020年に間に合うように総力を結集すべきだ」

オリンピック招致と実現に向けての主たるプレイヤーは以下の四者だ。

① 主催都市 東京都
② 主催者 日本オリンピック組織委員会(JOC)
③ メイン会場 新国立競技場の発注者(日本スポーツ振興機構・JSC)
④ JSCの監督 文部科学省

しかしこの4者はいずれも権限、財源を独占・差配しているわけではない。

新国立競技場はまさに「国立」施設だから、財源の窓口は財務省だ。発注者のJSCには巨大建物を発注・管理できる責任者はいない。

さらに時系列的には次のような特別事情が重なった。

2012年11月 ザハ氏案発表
2012年12月 野田政権から安倍政権へ交代
2013年9月 オリンピック東京招致成功
2013年12月 主催都市東京の猪瀬知事辞任
2014年2月 舛添新知事誕生
2014年秋 スポーツ担当大臣設置予定が半年以上遅れる
2015年6月 スポーツ担当大臣が設置

などなどの諸事情があり、その間に実務的積算にも、途中で責任もって差配できる組織や人は誰もいなかったのだ。東京オリンピック省のような組織を常設してマンパワー・予算を常時集中している国はない。

言うまでもなく議院内閣制の各省の調整責任者は内閣総理大臣だ。総理の下に技術の総元締めの国交省や、財政の総元締めの財務省など入ったチームが出来たのは遅い感は否めないが極めて妥当だ。

これで新国立競技場の建設の体制が整ったことになる。これだけの工事はWTO(世界貿易機構)マターになるので、世界に通用する透明性も要求される。今までのことはご破算にして、しっかりとした体制で絶対に間に合わせなければならない。

森元総理の指摘は正しい。

競技者と観客の暑さ対策、安全管理、テロ対策、宿泊場所、移動手段、ホスピタリティなどなど課題山積だ。時間との競争でもある。「日本人はこの種の事は得意だ」などの思い込み・油断が怖い。気合を入れてやるしかない。

舛添知事も文部科学省批判をやめ、そこそこでやめるべきだ。世間受けするだろうがプラスはない。あなたは主催都市の責任者なのだ。

(平成27年7月11日付ブログ参照)