野田佳彦元総理の情理あふれた追悼演説。安倍晋三元総理への敬意をとねぎらい。しかし、語られなかったものもある。消費税増税です

野田佳彦元総理の情理あふれた追悼演説。安倍晋三元総理への敬意をとねぎらい。しかし、語られなかったものもある。消費税増税です

野田佳彦元総理の衆議院における追悼演説は、憲政史に残る名演説と強い印象を受けました。既にテレビ・新聞・ネットで全文が紹介され、識者のコメントが寄せられているので省略しますが、語られなかった思いがあるのではないかと推測します。

それは2012年秋の緊迫した臨時国会での、迫真に満ちたお二人のやり取りです。社会保障財源である消費税5%→10%への増税について道筋を拓いたのは、この時のお二人のやり取りがきっかけでした。「消費税を上げると約束するなら解散します。上げるのですか?どうですか?」と質問者の安倍総裁(当時)に逆に迫る野田総理(当時)。それを受けて「本当に解散するのですか?約束ですね」と切り返した安倍総裁。その後安倍政権になり、この約束通り、5年余りに渡って3%+2%と二度消費税を増税しました。

安倍さんは「同じ政権で二度も消費税を上げた政権はない」等、重く複雑な心境を語っていたのを思い出します。

国民に負担を求めるという不人気な政策。消費税増税・財政安定に道を拓いたのは、第一党の自民党安倍総裁・総理、野党第一党の民主党党首だった頃の野田総理の二人三脚で道を拓いたのだと思います。

野田佳彦元総理と安倍晋三元総理の骨太のお二人に深い敬意を捧げ、改めて安倍元総理のご冥福をお祈りいたします。