アムール・カワグチ君は元気だった。33年前、多摩地区の中高生100人がシベリア、ハバロフスク地方に自然キャンプに出かけました。河川隊はアムール河340kmをボートで下った。指導者カワグチ隊員は溺れかけたが、現地の指導者に救助-当時の参加者たちは、各界で活躍している

アムール・カワグチ君は元気だった。33年前、多摩地区の中高生100人がシベリア、ハバロフスク地方に自然キャンプに出かけました。河川隊はアムール河340kmをボートで下った。指導者カワグチ隊員は溺れかけたが、現地の指導者に救助-当時の参加者たちは、各界で活躍している

ソ連崩壊後、まだ混乱の続く1993年夏に多摩地域32市町村から100名の中高生が参加して、山岳隊・河川隊・森林隊・バードウォッチング隊・市民生活隊の5隊に分かれて、ハバロフスク市のアムール河を中心に活動しました。主催は多摩地域32市町村で結成された実行委員会。都が補助金を出し、環境庁(当時)等が後援した一大プロジェクトでした。

各々の隊が慣れない中高生を連れて大冒険をしたのですが、特に河川隊はハバロフスク市からコムソモリスク・ナ・アムーレ市までアムール河340kmをカッターボートで漕いで下るという難行でした。指導者はアマゾン河300kmを川下りした高橋善護さんを隊長に多摩各市から集まった若手職員などで構成されていました。そのうちの“カワグチ”さんはアムール河の中洲にテントを張って水遊びをしているうちに流されたのです。アムール河は時速7kmで茶色の濁った大河です。現地指導者のキムさんが飛び込み、間一髪で救助されました。以来、「アムール・カワグチ」と命名されました。後から聞いて、彼の幸運を祝うと共に肝を冷やしたことを思い出しました。

その後、市民レベルの交流をめざした「むさしの・多摩・ハバロフスク協会」が設立されて植林事業と市民交流活動を続けています。その30周年を祝う会が開かれ、関係者の間で「幸運児カワグチ君は元気かな」と話題になりました。翌日、久しぶりで連絡をとると元気な声が返って来ました。当時の中高生たちは、この冒険を期して大きく成長し各々の道を歩んでいるとの報告。

なお、この協会はウクライナ戦争の影響を受け、3年前からモンゴルで植樹活動を行っている。