母校都立武蔵高等学校が創立80周年を迎えました。同窓会長として祝辞を述べました

母校都立武蔵高等学校が創立80周年を迎えました。同窓会長として祝辞を述べました

昭和15(1940)年に都立武蔵高等学校の前身・東京府立第13女子高等学校が創立されました。昨年で満80周年を迎えたのですが東京オリンピック・パラリンピック2020が予定されていたので、記念式典を1年延ばして、昨日12日に武蔵野文化会館で行われました。コロナ禍なので、来賓の数も絞ったとのことで、同窓会長の私とPTA会長の二人が祝辞を述べました。以下、私の祝辞の概要です。

祝辞 

  1. 創立80周年記念式典おめでとうございます。後輩の現役諸君が元気で学問にスポーツに様々な文化活動に活躍しているのを見て、大変うれしく誇らしく思います。記念式典の意味には、過ごし方を振り返り、行く末を思うという言葉があります。立ち止まって、私たちはどこから来て、どこにいて、どこへ向かうのかということを考える機会であります。
  2. 私たちの母校の前身は東京府立第13高等女学校であり、昭和15(1940)年に創立されました。1940年は日独伊軍事同盟締結された時代であり、第二次世界大戦が始まっていました。これは歴史で学ぶことです。当時の女学生たちは昭和飛行機の勤労奉仕に従事しており、校庭で野菜を作ったりの苦労の連続でした。当時と今を比較してみましょう。庶民の生活は貧しく、身近な例をとると飲料水は井戸水、暖房なし、食物の料理は炭や練炭、食料も衣服も住居も有機質なものが総てで、今流にいうとSDGsの生活そのものでした。
  3. 現代の生活はどうでしょうか。衣食住は世界から資源・食料・エネルギーを輸入して、極めて豊かに多様で安全で冷暖房完備の生活であります。とりわけ1970年代の後半、コンピュータと通信が融合する文明の大変革が起こりました。元日本電気(NEC)の小林宏治会長はC&C(Computer & Communication)の時代といって、日本でパソコンを初めて製作し販売いたしました。今日のスマホ全盛時代の幕開けです。
  4. 未来はどんな社会になるのでしょう。なかなか予測しがたいのですが、仮想現実の世界は更に拡大してゆくでしょう。イスラエルの哲学者ユヴァル・ノア・ハラリさんは、人間の存在を脅かす破壊的技術革新について警告を発しています。また、スマホ脳という警告書もあります。月や火星に移住するなどの話も現実化するかも分かりません。しかし、人類の大半は地球に住むでしょう。青く美しき水の惑星地球を大切に守って、CO2対策やマイクロプラスチックの海洋汚染防止のために力を尽くしましょう。個人の生き方としては、自然に畏敬の念を抱いて、自然の懐に抱かれる体験を進めます。
  5. 人間の本質は、この世に生を受け、人々を愛し、お互いに助け合って生きる。自然の中で学び、育つ社会的存在です。私たち母校の校歌に ♪林を出でて林に入り 道尽きてまた道あり かがやく若芽ゆらぐ落葉 真理を真理を真理を求めゆくとき♪ という人間賛歌の一説があります。後輩諸君の活躍を祈ります。
  6. 同窓生が様々な分野で活躍しています。エボラ出血熱の世界的研究者、外務省条約局のエース、世界的に著名な映画監督、今年の7月までの都議会議長もOBです。人が世界をつくり、人が偉大なる仕事を成し遂げます。人のネットワークを大切にしましょう。青春時代を共に過ごした仲間・先輩・後輩を大切にしてゆきましょう。同窓会でお待ちしています。