松下市長提出の、住民投票条例にかけるような市政の重大事項というのは、どんなものがあると想定されますかと知り合いの新聞記者から聞かれた―4分の1の署名を集めて住民投票を求める等のテーマは思いつかないですねと答えた

松下市長提出の、住民投票条例にかけるような市政の重大事項というのは、どんなものがあると想定されますかと知り合いの新聞記者から聞かれた―4分の1の署名を集めて住民投票を求める等のテーマは思いつかないですねと答えた

武蔵野市の住民基本台帳に記録された住民の人数は14万人を超えている。このうち18歳以上の住民というと32000人と市は推定している。長や議員のリコールは3分の1だが、政治的にこじれた場合にリコールが成立する場合もありうる。しかし特定の重要事項で賛否を問う時、4分の1、32000人もの署名が集まるとは到底思えない。

私は市職員、市議会議員、市長、衆議院議員として地方自治を担当する総務省の政務官、副大臣など歴任して合計55年になるが、その経験を振り返っても市民共通の関心事で「重要事項」とされるのは思いつかない。
過去55年で市と市民が共通して「重要事項」と認識し、大市民運動に発展したものは3つあった。
①マンションが林立して日照が脅かされるので、日照権を守って欲しいと運動
②ゴミ焼却場を市内に造らなければならなくなり、ゴミ減量と場所選定をめぐる大運動
③ピンクサロンが60軒も出来、風俗公害が発生し、これを阻止するための環境浄化条例を制定して欲しいという運動
とりわけ③の環境浄化を求める条例制定は地方自治の直接請求として実施され、有権者の署名の50分の1の署名が必要となった。
結局、市内の公立の小中学校全19校のPTAと青少年問題協議会が署名活動したが、それでも12000人程度と記憶をしています。法定数の2500名は遙かに超えたのですから、4分の1の署名というのは、途方もなくハードルが高いのですと答えた。

(記者)では市長はどうして住民投票条例を提出したのでしょう。その真の狙いは?
私は次のように答えた。
①松下市長の狙いは「私は代議制に加えて、直接住民が参加する仕組みをつくったのよ」と言いたいのでしょう
②さらに投票権者の資格者の中に外国人も入れたことで、外国人にも市政に対する発言権を認めたとアピールしたいのでしょう
しかし国民主権、代表制民主主義、法の支配などが崩れたら、民主主義の空洞化に繋がる。外国人参政権につながるような動きは、きちんとした対応をしなければというのが、私達の立場です。と答えた。