ポツンと一軒家海山編。この番組の人気の秘密は自然の中で自活して生きる堂々たる人間の生き方に吾身を重ね合わせるからだ。

ポツンと一軒家海山編。この番組の人気の秘密は自然の中で自活して生きる堂々たる人間の生き方に吾身を重ね合わせるからだ。

11月22日夜のポツンと一軒家は秋田県の山中で稲作を営む60代の男性が主人公です。

サラリーマンを辞めて父のつくった田んぼを耕作し、秋田こまちの一等米を生産するひとり暮らしの男性です。昔は4,5件の農家があったが、逐次山をおり、田んぼは耕作放棄となっている。雑草の生えた田んぼを所有者の同意を得て元の田んぼに再び開墾していくと決意を述べています。一旦荒れた土地は1年1反ぐらいしか田んぼに戻せない。気の遠くなるような話です。自然豊かな一軒家の周りには様々な山菜が豊富だ。近くの池には秋田名物じゅんさいが繁茂している。鶏を受精卵からかえして30羽放し飼いしているが、養鶏とは異なり毎日卵がとれるわけではないという。

秋田こまちの米作りだけでは食べていけないので、土日には近くの漁港に行って遊漁船を走らせ生活の糧にしているという。つまり土日は船頭さんなのだ。カメラが追って港から遊漁船で沖へ出る。今日の狙いはメバルと真鯛。メバルは一竿10本の釣針で入れ食い。みるみる400匹を超える漁獲だ。そして魚の王者真鯛も数十匹。お客さんは大喜び。海に山に堂々と自活しているのが極めて魅力的だ。

昨年の映像がリプレイされて今年本人に電話すると、その後脱水症で数週間入院して体重が11キロ落ちたという。脱水症はひどくなると生命にかかわる。ひとりで良く助かったと思う。番組スタッフが「今年は田植えが出来ませんでしたか」と尋ねると意外な返事。釣船のお客様が数人山にきて田植えをやってくれたとの話。なんということだ、海山の連携がなりたっている。自然を舞台にした人間の絆がそこに輝いている。

コロナ禍の中で私達はどう生きるか問い直されていますが、ここにはうらやましい実践例がある。ポツン一軒家の人気が詰まった海山編でした。