「武蔵野市が派遣したハバロフスク自然探検隊に参加した息子が、それをきっかけに目覚めて、今は国際機関の金融部門で働いています。融資の分野は環境です」

「武蔵野市が派遣したハバロフスク自然探検隊に参加した息子が、それをきっかけに目覚めて、今は国際機関の金融部門で働いています。融資の分野は環境です」

街で出会った犬を連れた女性が、ニコニコしながら話しかけて来られた。武蔵野市と三多摩各市から共同で実施した1993年ロシア連邦ハバロフスク市への中・高生100名の派遣にご子息が参加したとのこと。

この事業は三多摩が神奈川県から東京都に移管されて100年を記念した事業だが、武蔵野市が呼びかけて三多摩全市町村から中・高生100名が参加した“自然探検隊”です。山岳隊・河川隊・森林隊・バードウォッチング隊・市民生活隊に各20名ずつ5隊に分かれて7泊8日自然の中で生活した。1991年にソ連が崩壊して15の共和国が各々独立して2年しか経過していない混乱した時期だったが、ハバロフスク市当局をはじめ市民から温かい大歓迎を受けた交流団となった。

街で会った女性のご子息は中学生で参加したという。帰宅して語った言葉が
「アムール河の岸辺にはコウノトリがいるんだ」
「ロシアの子どもたちは、前の日食べ残したパンを、翌日もちゃんと食べる」
「夜空に星があふれている」

女性が語る
「うちの子は、あれから変わりました。海外のことに興味を持つようになり、人生の目標が決まったと思います」
「今は国際機関の金融部門で働いています。2年前までフィリピンに赴任していました」
「融資の対象は環境分野と言ってました」
「子どもを大切にしてくれる武蔵野市に感謝です。ありがとうございます」

この女性は犬を連れて散歩中だったが、足をとめて立ち話に熱が入った。30年前の光景を思い出し、手応えを感じた。