小池百合子候補 築地市場で豊洲移転反対の仲卸商と対話との記事 ―20年かけた議論をむし返すのだろうか

小池百合子候補 築地市場で豊洲移転反対の仲卸商と対話との記事 ―20年かけた議論をむし返すのだろうか

20年前に、狭隘・老朽化した築地市場を、豊洲に移転する方針を都が示して、市場関係者を中心に、都議会や中央卸売市場審議会等で議論を深めてきた。その途中で、土壌汚染の問題も浮かび、工程を一部変更して、都は土壌汚染の浄化を進めてきた。

私も武蔵野市長時代に、市長会の代表として、中央卸売市場審議会の委員として選出され、この論議に数年参加してきた。

20年以上にわたって長い議論を経て、安全対策も行い築地市場の豊洲移転が決定されたのだ。最後まで反対したのは、築地市場をかかえる、中央区長矢田美英さんだ。

地元の繁栄のため、市場移転後の土地を、小売中心の「場外市場」として整備する方針を出した。中央区長が地元の繁栄を願って、移転に反対したり跡地利用対策を打ち出すのは当然だ。これが「地方自治」なのだ。

しかし、全都民の胃袋を満たし、関東各県の拠点でもある「中央卸売市場」が、海外からの輸入の拠点として、東京港の一角に広い土地を確保して再整備することは、時代の要請に応じた必然なのである。

小池百合子候補は、昨日築地市場を訪問し反対する卸売業者から、「11月7日の移転に反対している」などの要望書を受け取り、「自民党都連の一部が,どこかで何かを決めて納得いかない中できてしまった」と、自民党都連を批判したとの記事(7月23日付日刊スポーツ)。小池さん、知事候補としてあまりにひど過ぎないか。

移転をめぐる是非は、20年にわたり都議会を始め、各関係団体の中でオープンな議論が行われ、当時はマスコミも大きく報道したのだ。「環境相の時、豊洲の土壌汚染を視察した」との記事もあるが、問題があれば何故その時指摘し反対しなかったのか、記事通り11月7日から移転の準備が始まるとすれば3ヶ月しかない。

20年間積み上げた論議の結果を、この時期にくつがえそうとするのか。選挙向けのパフォーマンスで無責任極まりない。

これでは、強大な権限と責任を与えられた都知事として疑問符が付く。