松下市長に損害賠償の行政訴訟をするとは、どういう意味ですか?と友人から聞かれました

松下市長に損害賠償の行政訴訟をするとは、どういう意味ですか?と友人から聞かれました

8/4の私のブログを読んでいただいた方は2000人。市民の関心の高さが分かります。自宅にも電話がかかってきたほどです。

その中に「吉祥寺駅北口の一等地を隣地所有者に売却したことに、問題点があるということは判ります。私も長く住んでいますが、確かに今まで聞いたこともない事例だと思います。松下市長の責任を追求することも理解できますが“損害賠償”の意味が判りません。かりに訴訟に勝ったら、土屋さんが損害賠償金を受領するのですか?」と。

そこで「今回の仕組みは、住民代位訴訟と呼ばれる制度です」と答え、次のように説明しました。
①知事や市区町村長は選挙で選ばれて就任する公的存在で、様々な法律によって権限が付与されています。
②その与えられた権限は膨大で強力ですが“公人”ですので、総て公法に従って権限を行使します。
③言い換えれば、市長等の日々の行政の権限行使は、総て公の法律に従って行わなければ権限の逸脱・乱用になり、違法・不当の行政行為になります。
④市長等が権限を逸脱・乱用して市に損害を与えた場合には、住民が市に代わって市長に対して損害賠償請求を出来るという仕組みを「住民代位訴訟」と呼びます。
⑤市に代わって市長に対して損害賠償するのですから、かりに私たちが勝訴して裁判で損害賠償が認められた場合でも、損害賠償金は市長が市に対して支払うことになります
⑥市長のように権限を与えられた権力者は、その権限を公法に従って正しく行使することを求めた民主主義のチェックアンドバランスの仕組みと理解されています。
⑦裁判に必要な費用は住民が自ら負担し、市長側は公費で賄われます。
⑧以上のような仕組みは民間の企業にも同様な仕組みがあり、株主代表訴訟と呼ばれています。福島原発事故に対して、東電の代表取締役だった人たちに13兆円の支払いの地裁の判決が出たのも、この訴訟です。
と説明しました。

民間企業の役員をやっていた友人は株主代表訴訟の話をしたら、わかったと納得していました。そして、最後に「貴方は個人の金で訴えて、市長は公金で応訴するのか。やっぱり市長の立場は強いなあ」と感想を述べていました。