東京は他県にない3つの独自の役割と、プラス県行政を行う世界最大の自治体です。知事に当選する人は都市論を語って欲しい

東京は他県にない3つの独自の役割と、プラス県行政を行う世界最大の自治体です。知事に当選する人は都市論を語って欲しい

知事選挙の投票日が迫ってきました。直面するコロナ禍やオリンピックに話題が偏り、都市論を語る候補者がほとんど居ないのが残念です。

東京都は他の46道府県にない、3つの独自の役割とプラス県行政があります。

第一が首都東京としての役割です。
日本国の首都として世界に開かれた国際都市であり、立法・行政・司法の中心です。さらにアジアの中で最も成熟した民主主義の砦としての役割です。

第二の役割が大関東地方のハブとしての役割です。
本州の中で最大の平坦地、関東平野は4000万人が住む超巨大都市を形成しています。道路、鉄道、公共交通、河川、上下水道等で連結し、巨大な生活圏を形成しています。神奈川、埼玉、千葉、隣接する三県にプラスして群馬、栃木、茨城、さらに山梨も含めると一都七県で連携しながら都市経営をしなくてはなりません。コロナ禍は図らずもその必要性を明示しました。東京は大関東地方のハブの役割を果たすべきです。

第三の役割は旧東京市の伝統をひく大都市行政の推進役です。
23区は45年前の昭和50(1975)年、区長公選が始まり自治体として位置づけられ、平成11(1999)年自治法の改正により市と同様の基礎的自治体となりました。
しかし旧東京市の伝統を引き継ぎ、拠点地域の開発・改造など、東京都が都全域を見ながら主導して、区と協力しながら行っています。

第四の役割は他の道府県と同様、県行政であります。県の役割は整備の遅れた地域の自治体を広域行政の立場で重点的に支援することです。三多摩地域の総合計画は必要ないですか。島嶼の大島から小笠原までの9町村の計画的振興や、23区のうち県境を接する区への目配りが大切です。

以上のように、東京都は他県と異なり多面的な役割を担っています。知事は都行政の最終責任者として、総合的な視点と計画を立てると共に、各部門をきちんとグリップして、20万人の職員が各々能力を発揮するよう、力を尽くすべきです。