左右前後に揺れながらコロナを前に進むしかない GOTOトラベルキャンペーン

左右前後に揺れながらコロナを前に進むしかない GOTOトラベルキャンペーン

日本を始め世界の現状は人々が大量に自由に国や地域を超えて移動するといういうことを前提に構成されている。JALやANAの航空産業を考えればよくわかる。年間3000万人が日本国に出かけてくることが前提だ。1ヵ月250万人、現在は1/10以下だ。国内の鉄道や運輸機関、ホテルなどの宿泊業も同様だ。それだけではない。東京の地価が高いのも海外からの投資と国内各地からの訪問による土地需要に支えられている。土地は総ての産業の資産である。よく日本は金本位制ではなく土地本位制などと揶揄されるが、信用創造の担保たる地価が大幅に下がったら大混乱がおきるだろう。コロナ禍が文明史的意味を持つのは高度に集積した大都市やそれを支える産業構造などが大改革するきっかけを与えてくれた。資源やエネルギーの高速多消費型文明から転換し都市への集中がもう少しゆるやかになるかもしれないが、拙速だと経済・社会のカタストロフィをもたらす。

GOTOトラベルキャンペーンも一まず平常に復帰するために超えなければならない一歩なのだと思う。そのうえでどこまでどのように成長するのかしないのか。新しい指針を全世界で模索していくことになる。患者数に一喜一憂してはならない。