金田法務大臣は、法務省5万人の職員を統括して政治判断や政策的事項や組織管理として活躍すべき-珍問奇問で大臣を窮地に立たせて、一本を取った気になっていないか。

金田法務大臣は、法務省5万人の職員を統括して政治判断や政策的事項や組織管理として活躍すべき-珍問奇問で大臣を窮地に立たせて、一本を取った気になっていないか。

先週、5月19日(金)の衆議院法務委員会でテロ等準備罪処罰法が自公、日本維新の会の賛成で可決された。明日、5月23日衆議院本会議に上程される。

5月19日の法務委員会に、私は総括的な質問に立ち35分にわたって金田大臣に質問をした。

【以下、平成29年5月19日(金)衆議院法務委員会議事録】

○土屋(正)委員

長い議論をしてまいりましたが、議論が積み重ねられ、そして、相当論点が集約してきたと存じます。

その上で、私は、大臣に何点かお尋ねしたいと存じます。

第一の質問は、金田大臣の答弁すべき範囲と、刑事局長以下、政府参考人の答弁の範囲についてであります。

衆議院規則並びにこの各会派申し合わせ事項に基づいて、大臣が政策を語り、細目的、技術的なことは政府参考人が答弁をする、こういう配分になっております。

しかし、この衆議院規則の背景にあるのは、日本の民主的な行政執行にかかわる根本的な課題があるだろうと思います。

我が国においては、憲法、内閣法、国家行政組織法、法務省設置法並びに法務省設置令などなどの法体系によって、法務省の行政領域とまたそれぞれの役割が分任されているわけであります。

とりわけ、法務省組織令第五条は、「刑事局は、次に掲げる事務をつかさどる。」として、一に「刑事法制に関する企画及び立案に関すること。」となっているわけであります。

こういった中において、改めて、私は、大臣の職責とその答弁に対する心構えをお聞きしたいわけであります。

こういった、法務省、全体として五万人を超える職員が一体となって法務行政を執行しているにもかかわらず、大臣一人に質問を集中させて、そしてあたかもそれが政策的な事項からはるかに外れている、こういったようなことがたびたび行われたわけでありまして、このことについて、例えば、具体的に言えば、保安林に入ってキノコをとるのはテロ等の準備罪に当たるかなどという珍問、奇問が出されているわけであります。

そもそも、キノコといったって、いろいろ、マツタケもあるし、その辺の普通のキノコもあるわけですから、とりに入ったのが入会権を持っている里山の住人なのかどうかとか、こういうことがない限り、答えようがないわけであります。

でありますからして、そのことをもって答えられないかといって、大臣をあたかも窮地に立たせて一本とったなどと考えている者がいるとすれば、日本の民主的な行政執行、憲法を原点とする法の民主的な統制、こういったことに対する重大な誤認があると言わざるを得ないわけであります。

私は、改めて、金田大臣の基本的な姿勢について、締めくくりが近いわけでありますから、基本的なことをお尋ねしたいわけであります。

【大臣答弁(中略)】

巨大な組織の最高責任者であり、組織管理の立場からも、さらに頑張って、大局的な立場で使命を果たされることを期待いたしております。

先日、枝野先生が刑事局長と二時間にわたって大変濃密な議論をいたしました。私、さすがだなと思って感心して、その日のブログに枝野先生のことをお書きしたわけでありますが、こういう専門家同士のしっかりとした議論が積み重ねられてきたことも事実でありますし、それはそれ、プロフェッショナルとしての刑事局長の答弁だと思います。どうぞ、そういった意味で、我々は持ち場持ち場でしっかりとした仕事をしていくことを積み上げていく必要があるということを申し上げておきたいと存じます。