「野町和嘉写真展『天空の渚』-人間の撮影から存在そのものに行きついた。南米ボリビアの高地、荒涼たる地平。」

「野町和嘉写真展『天空の渚』-人間の撮影から存在そのものに行きついた。南米ボリビアの高地、荒涼たる地平。」

野町和嘉さんの最新の大型作品を展示した写真展が開かれている。

港区海岸の会場はコンクリートが打ちっぱなしの倉庫のような建物。エレベーターもギシギシ動く迫力もの。6階にあがると地球の反対側南米ボリビア高地の荒々しい自然が一挙に迫ってくる。

入口にある難破した船の残骸がわずかに人の痕跡を残している。悠久の自然が人の営為を笑っているようだ。

縦横数mの巨大作品が30数点。ガランとした空間を圧倒している。

アフリカ、中東イスラム圏、中国など世界各地で濃密な人間を描写してきた野町和嘉さんがたどり着いたのが、人間を生かしている地球そのものの描写だ。南米の高地ボリビアの荒涼たる風景、山群、塩湖、氷河、難破船の残骸、わずかに塩湖を渡る遠景の人影1人。

会場を去る時、野町さんが来訪し短い挨拶を交わした。

「5000万画素という最高のデジタルがあって表現できました」

「この倉庫のような大型の会場が空いている期間を確認して制作を始めたのです」

会場には若い世代が多く来て、野町芸術に何かを求めているのがわかる。

一見に値する展覧会だ。

 

場所 Galally 916
東京都港区海岸1丁目14−2 6階
期間 1月15日~2月14日(日)

http://www.nomachi.com/s-tenku.cfm