「田上長崎市長、核抑止力に頼らずアジア非核構想をすすめてほしいと―問題は中国、北朝鮮、ロシア、米国が同意しないことだ」

「田上長崎市長、核抑止力に頼らずアジア非核構想をすすめてほしいと―問題は中国、北朝鮮、ロシア、米国が同意しないことだ」

本日長崎原爆忌、70年前に原爆が投下された11時2分に黙祷が捧げられた。

田上長崎市長は核廃絶を訴えると共に「核抑止力に頼らずアジア非核構想の実現を」と訴えた。

原爆被災地の市長としてはもっともな訴えだが、問題は関係国がいずれも同意できないことだ。

北朝鮮は他国の侵略を受けないために核武装とミサイル開発をするのだと主張する。

中国も最近では表面だって主張していないが、毛沢東時代から米国に対抗して防衛のためとして核とミサイルを開発配備してきた。これを放棄する考えはない。

ロシアも東西冷戦時代から核・ミサイル戦略を築いてきたし、最近プーチン大統領はウクライナ問題で「核爆弾使用も考慮した」と西側の介入に対して牽制発言をしている。

アメリカはオバマ大統領がノーベル平和賞受賞記念演説で「ガンジーやキングの精神は尊いが非暴力運動ではヒトラーの軍隊はとめられない」という主旨の演説をしてノーベル平和賞受賞記念演説ではなく戦争演説だと言われた。

核の抑止力に頼らないという反核の理念は被爆地の長崎市長だからこそ主張できることでさらに主張し続けて欲しい。

しかし現実の政治では日本国の存立と国民の安全を守るためには、核抑止力を計算に入れて総合戦略を立てなければならないのだ。

反核・平和への祈りを全世界の指導者に送り続けるべき広島・長崎両市の市長は、その役割に徹し続けて欲しい。それが両市長の権威の源泉である。