「安倍総理の戦後70年談話-目配りの利いたバランスの取れた内容だ。」
戦後70年の安倍談話は、世界史の流れに言及したバランスの取れた内容だ。
冒頭、「100年以上前の世界には西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が広がっていました・・・」
「植民地支配への危機感が日本の近代化の原動力」
「日露戦争が植民地支配にあったアジアやアフリカの人々を勇気づけた・・・」
このような書き出しから始まって全編に歴史の流れの中で、日本の生きてきた道を振り返り、これからの道を述べている。
70年の歳月を経て風化した部分を踏まえつつ、過剰に情緒的にならず素晴らしい文章だ。
600万人の日本人が帰還したことや、日本軍の捕虜となった人々の苦難を超えての和解・寛容についても述べている。背景に中国残留孤児となった人々に対する中国人の親身な養育のように、中国の人の懐の深さ温かさもまた70年の歴史なのだから。
また自由、民主主義、法の支配、寛容など戦後の日本の価値観も述べ行くべき方向を示している名文だ。
単純な加害者、被害者の二分法で善悪を捉える時代は終わったのだ。70年という歳月の間に、世界は重層、複雑に変わったのだから。
戦後○○年の談話は、これで打ち止めにするべきだ。
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