野田佳彦総理(当時)が政権と引き換えに消費税を5%→10%に提案した。国を思う気持ちの表れだが、今度は消費税を引き下げるという

野田佳彦総理(当時)が政権と引き換えに消費税を5%→10%に提案した。国を思う気持ちの表れだが、今度は消費税を引き下げるという

民主党政権の不祥事が続いた2012年秋。衆議院で党首討論が開かれた。席上、野田総理(当時)は自民党総裁に就任したての安倍晋三さんに「消費税を5%→10%に引き上げましょう。同意をしていただけるなら衆議院を解散します」と迫った。虚をつかれた感じの安倍さんは「本当に解散するのですね?」と何度も聞き返した。

両党首がテレビの前で約束をして解散になり、鳩山由紀夫・菅直人元総理と不祥事続きの民主党は惨敗し、再び自民党は政権に戻った。

当時はデフレが続いていたが、安倍晋三総理(当時)は在任中の7年の間に民主党の野田前総理(当時)との約束を守り、5%→8%→10%と増税した。当時の安倍さんのぼやきは「一内閣で、2度も消費税を上げた内閣はない」だった。

今日、国税の総額が73兆円前後だが、このうち13兆円は野田・安倍両総理の力を合わせた結果だ。もし、5%のままだったら国税は60兆円程度しかなく、国債を増発していたであろう。不人気を覚悟で5%アップに同意した両総理は凄い。

今回は立憲民主党の党内に押されて、野田代表は減税を主張。それでも救われるのは、財源を明らかにしたいと語っていることだ。