全国初の武蔵野市のコミュニティバス。11月で創設30周年を迎え、延べ5000万人以上の利用客だ。昨日、市立第二小学校6年生の合同学習で実現までの経緯と狙いを話しました

全国初の武蔵野市のコミュニティバス。11月で創設30周年を迎え、延べ5000万人以上の利用客だ。昨日、市立第二小学校6年生の合同学習で実現までの経緯と狙いを話しました

武蔵野市の小型乗合バス(コミュニティバス)「ムーバス」は、平成7(1995)年11月26日にスタートしました。

1990年正月に市長宛に来た一通の手紙から着想し必要を認識し、実現まで6年近くかかりました。

60代の女性の手紙には「足が不自由なので、吉祥寺の街中まで買い物に行けません。自転車にも乗れません。市長、何とかしてください」とありました。その方の住所を地図で見ると、吉祥寺南町3丁目の高級住宅地の真ん中でした。駅からの距離は直線で1kmほどありました。当時の路線バスは2.5m×11mの大型バスで主要道路しか走っていませんでしたので、足が不自由だと吉祥寺の中心街までは遠かったのです。

住宅街の4~6mの細街路に乗合バスを走らせられないか、ヒントは2m×7mの幼稚園の送迎バスでした。さまざまな困難を乗り越え、6年後の1995年11月に全国初めてのコミュニティバスの運行を実現出来たのです。

それ以来、全市に渡って運行ルートを増やし、現在では7ルートで1日7500~8000人の利用者となっています。延べ人数は5000万人を超え、障害を持つ人、子ども連れの人、高齢者をはじめ全ての市民に利用されています。

大多数の市民にとって大好評なのですが、小学6年生に必要性をわかってもらうのに苦労しました。元気な盛りですので、1kmくらい歩くのはへっちゃらです。そもそもムーバスが走っていて当然なのですから、45分の学習でムーバスのカタログと地元の路線地図を資料に話しました。60数名の合同クラスでしたが、ほとんどの子が集中して聞いてくれて、質問も多く、何とか役目を果たすことが出来ました。

“子ども目線で話す”のは言うは易く行うは難しで、小学校の先生の苦労を実感しました。