松下玲子前武蔵野市長に働きかけ、市の駐輪場を競争入札によらず、任意で買収した㈱レーサム。今度は大手の不動産会社のヒューリック㈱がTOBで買収するという。1株5913円で3年前に市が売却した当時の株価は600円で10倍だ

松下玲子前武蔵野市長に働きかけ、市の駐輪場を競争入札によらず、任意で買収した㈱レーサム。今度は大手の不動産会社のヒューリック㈱がTOBで買収するという。1株5913円で3年前に市が売却した当時の株価は600円で10倍だ

9/14付け日本経済新聞の12面の記事で、ヒューリック㈱がTOBによって㈱レーサムの株式を全株取得するとある。その株価は1株5913円で、㈱レーサムの親会社の香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントと合意したという。

以下、この数年の経過 

・平成30(2018)年6月、㈱レーサムが吉祥寺大通りに面する東西6.4m、南北24mの土地を購入して、東側に隣接する武蔵野市の駐輪場の土地で東西11.7m、南北24mに狙いをつけて同年11月に共同開発を申し入れたが、市が断った。

・令和元(2019)年5月、㈱レーサムが市の駐輪場より駅から遠い土地を取得して、市の駐輪場との交換を市に申し入れた。

・令和3(2021)年10月28日、武蔵野市は吉祥寺駅北口1分の商業地にある吉祥寺大通り東駐輪場(東西11.7m、南北24mの土地)を西側に隣接する㈱レーサムに任意の契約で売却。当時のレーサムの株価600円前後が、その後上昇を始める。

・1年後の令和4(2022)年10月、香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントが㈱レーサムに1株1700円でTOBをかけ成立。

・それと並行して㈱レーサムは、購入した旧武蔵野市吉祥寺大通り駐輪場の東側に隣接する風呂屋の土地を買収。(武蔵野市が駐輪場を㈱レーサムに売却していなければ、連続した一体の土地にはならなかった)

・それから2年して令和6(2024)年9月、ヒューリック㈱のTOBとなった。

以上、要約すると

① ㈱レーサムは東西6.4m、南北24mの壁のようなビルしか建設できない土地を取得 
② 東側隣地の市の駐輪場の土地に着目して共同開発が断られると、土地を取得することを目的に市と交渉を重ねた
③ ㈱レーサムは駅から遠い近隣の土地を取得し、市の駐輪場用地の交換的手法で売買を求めた
④ 市はこれに応じて、駅1分の市有地(商業地)と駅から3分の近隣商業地域の㈱レーサムの土地を交換的手法で売買した
⑤ ㈱レーサムは市有地を買収すると、さらに東に位置する民間所有の風呂屋敷地を買収した
⑥ その間に㈱レーサムの株価は600円→1700円→3200円(現在)→5913円(ヒューリックのTOB価格)と10倍に跳ね上がった

松下玲子前市長の市有地売却は、㈱レーサムの株価を10倍にした原動力ですね。結果として、市民を不便にして、民間会社のために働いたことになる。