教育基本法の改正は安倍政権のレガシーのひとつだ。学校現場では自己肯定できる児童・生徒をつくることが大きな目標

教育基本法の改正は安倍政権のレガシーのひとつだ。学校現場では自己肯定できる児童・生徒をつくることが大きな目標

教育基本法の全面改正は平成18年秋の臨時国会で可決成立した。

新しい教育基本法は前文の中に真理と正義を希求し、公共の精神を尊び豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成をするとともに伝統を継承、新しい文化の創造をめざすと明記した。以上の文言のうち、真理は旧教育基本法にあったが、それ以外は総て加筆された。

第一次安倍政権が誕生したのが平成18年9月だから、政権発足後まもなく成立したのであり、小泉政権5年間の積み重ねによる成果といえる。しかし同時に小泉政権下で、占領下でできた旧教育基本法を時代にあった改正をしようという運動を推進してきたのは安倍晋三衆議院議員のグループだ。

教育基本法の改正は、その後大きな力を発揮し、10年ごとに改訂する学習指導要領や学校で使用する教科書検定にも重大な影響を与えたのである。

根拠の不明確な従軍慰安婦問題の記述や日本固有の領土である竹島や尖閣諸島などの記述が是正されて、史実に近いものに徐々に変化していった。いわゆる「自虐史観」からの脱却である。

新しい教科書をつくる会や育鵬社の存在も大きい。先行した平成14年成立の国旗・国歌法の制定も大きな出来事だった。

小泉内閣で教育基本法改正のエンジンとなった安倍晋三代議士が総理に就任した平成18年の臨時国会で教育基本法の全面改正が成立したのは意義深いことだ。

現在、教育現場では自己肯定力の持てる児童・生徒を育てることが大きな教育目標になっている。真理と正義を追求し、偏狭なナショナリズムを排し、世界の国々と平和・友好をめざし、人類の発展に努める。同時に日本の伝統と歴史を大切にして公共のためにつくす精神、独立心の強い誇り高い日本人こそ私たちの目標である。

教育基本法の全面改正が後世に与えた影響は計り知れない。