地震による家屋の倒壊、土砂崩れ、道路寸断、火事、津波、液状化現象、海底隆起、さらに大雪が追い打ちをかける。能登半島地震は全ての現象が起こった。過去50年間で初めての天災です。

地震による家屋の倒壊、土砂崩れ、道路寸断、火事、津波、液状化現象、海底隆起、さらに大雪が追い打ちをかける。能登半島地震は全ての現象が起こった。過去50年間で初めての天災です。

石川県は面積が東京都の2倍で、人口は1/13の110万人が住んでいる。集中的被害があった能登半島は、県都の金沢市(46万人)から北に延じた“くの字”型の半島で、半島中央が山地で東西北が日本海に面している。産業は観光・田畑の農業・酪農・漁業・伝統工芸。高齢化率も高く、能登半島に住む人々の生活が元に戻ることは容易なことではない。長い年月がかかるだろう。

地震の規模は、被害の状況で東日本大震災と比較すると相当小さいが、地震のエネルギーはM7.6で、阪神淡路のM7.3を上回る。一カ月近くが経過し、救助から救援・復興の段階に移るが、政府が本腰を入れないと復興はおぼつかない。

政府は3月・4月の旅行シーズンに北陸割りで2万円の補助を決めたが、発災以来一カ月も経過しないうちに「観光を重視します。どうか東京、大阪から旅行に来てください」と呼びかけるのには違和感を感じる。3月の北陸新幹線の敦賀駅まで開業も念頭にあるのだろうが、今は救援が第一ではないか?自衛隊・消防・警察・DMATなどの医療や介護チームが最前線で奮闘している。その真っ最中に旅行割り?

2月の末から3月にかけて、人心が落ち着いてからでもよいのではないか。北陸旅行割りは、現地の空気が分からない永田町、霞が関にいて考えた政策のように思える。