井の頭公園内の樹木を可能な限り残してほしい。地域住民の願いに東京都はギリギリまで柔軟な対応。伐採112本→65本まで縮小。大組織・都庁建設局の実力を実感した

井の頭公園内の樹木を可能な限り残してほしい。地域住民の願いに東京都はギリギリまで柔軟な対応。伐採112本→65本まで縮小。大組織・都庁建設局の実力を実感した

井の頭自然文化園に隣接する東京都西部公園緑地事務所が老朽化したので建替える計画が発表されたのは1年8カ月前です。改築工事のため周辺樹木の高木112本を伐採するという。建替えに敏感に反応したのは武蔵野市・三鷹市の自然を愛する市民有志の方々で、紛争調整を武蔵野市に求めたという。一定の手続きが終わり、その結果、都は伐採する木を86本まで縮小しました。本年令和4年2月から伐採に入るという時期を迎えたのです。

1月末に諦めきれない住民は、自民党の小美濃市議・道場市議を通じて、長島代議士に助力を求めました。地元市議と長島代議士から同時に連絡を受けたのが1/26。伐採予定日が迫っていました。小美濃・道場両市議や住民の方々と現場視察したのは1/28。事前のレクチャーと現場を見て、住民の方々に次のように申し上げました。

  1.  井の頭公園の自然を守ろうとする住民の方々の熱意は良く理解出来ます。
  2.  皆さんの熱意を受けて、1年半、都も相当努力をしてくれてますね。西部公園緑地事務所の所長は植物の専門家・樹木医ですから。
  3.  市の紛争調整も昨年7月に終わっていて、手続きには瑕疵(かし)がありません。
  4.  令和3年度予算の執行期限が2・3月の二カ月に迫っています。このような状況で都にさらに再検討を求めるのは相当厳しいと思いますが、そのことを承知で都にお願いしましょう。

そして、東京都には次のように申し上げた。

  1.  都建設局の発注責任者の用度課長も再度来訪して頂いてありがとうございます。2・3月の限られた日程で予算の年度内執行が厳しい状況ですが、今できることに知恵を出してくれませんか。
  2.  井の頭公園の自然を守る方々は、ボランティアです。皆さんはプロです。「自然を守る」という最終目標は一緒ですので、プロとしてもうひと働きお願いしますと。

間もなく、東京都建設局からは、2月からの伐採を1カ月延期します。何が出来るか再度検討しますとのこと。

さらに2/17に都からは次のような報告がありました。

  1.  改築のための工事事務所を直接工事に携わる作業員詰所と工事管理事務所に二分割し、工事管理事務所は公園道路東側の樹木のない場所に移設します。これにより伐採樹木を11本減少し、さらに10本移植により合計21本減少し、65本とします。 
  2.  住民の方々から指摘のあった自然文化園入口広場の拡張(今回の改築計画に含まれない地域)は増え続ける入園者の待機場所の拡張ですが、高木を残し、低木植栽の撤去・整理にとどめます。

2・3月の年度内工事が、年度をまたぐ工事となった。ここまで来たのは自然を愛する武蔵野・三鷹両市の市民の賜物です。同時に粘り強く時間をかけて対応した東京都建設局の実力を感じます。また、住民の要望を都につないだ市議会議員もよく役割を果たしました。