中曽根康弘総理(当時)がサミットで提案し、日本がイニシアティブをとってきた「国境なき生命科学研究プログラム」から30年間で27人のノーベル賞受賞者排出―世界中から尊敬されている日本の貢献

中曽根康弘総理(当時)がサミットで提案し、日本がイニシアティブをとってきた「国境なき生命科学研究プログラム」から30年間で27人のノーベル賞受賞者排出―世界中から尊敬されている日本の貢献

本日朝、自民党政調で国際ヒューマン・フロンティア・サイエンスプログラム機構(HFSP)のアンダーソン事務局長の報告があった。

HFSPは、1987年ヴェネチアサミットにおいて、当時の中曽根康弘総理の提唱によって始まったプログラムだ。生命が持つ複雑なメカニズムを対象とする、野心的な最先端の研究を推進し、人類全体の利益に供することを目的としていて、このための推進機構がフランスに設置され、1990年以降、世界の科学者の国境を超えた革新的な共同研究を支援してきたという。

1989年の創設当初は、日本が全体の予算の97.1%(1578万ドル)を供出して始まった。現在はカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、英国、米国、EU、インド等、11ヶ国が支援している。2017年度の日本の拠出金は2104万ドルで、全体予算の38.8%と第一位を占めている。

自由な国際協同研究のもたらす成果は実に大きく、2017年までにノーベル賞受賞者27人を排出した。内訳は生理学・医学賞15名、化学賞11名、物理学賞1名。当時は国際協同研究という発想が少なかった時代で、協同研究の先陣を切ったことになる。世界中の学者・研究者から尊敬を集めているという。日本のソフトパワーで財産である。