日本の初等教育には、運動会・学芸会や学級会等の子どもの成長を促す特別活動が必須だー現場教師の全国研究集会開かれる
8月6・7日の両日、羽田イノベーションシティ ゾーンで公立小学校の現場教師の全国小学校学校行事研究会が開かれました。武蔵野市立千川小学校・鈴木恒雄校長が会長で、お誘いを受けました。
この大会には全国各地から運動会や学芸会、学級会等の特別教育活動が子どもの成長と自律心を促す最高の教育だと考えて有志の教員が集まっていました。その背景には、次のような流れがあります。
国が定める学習指導要領の最近の傾向は、教科を充実させようという流れです。確かにIT教育や環境教育等が付け加わり、教科の内容は幅広く、量も増えています。一方、教師のなり手が不足し、対策として教師の負担を軽減しようとする働き方改革もあります。これら二つの流れから、運動会・学芸会や学級活動等を減らして調整するというのが、学校現場の傾向です。
この集会では、特別活動を通じて子どもたちが他者と協同し、そして自分自身を見つめ直す、自発的行動の原点や集団の意味などが具体的事例を通じて発表されました。(ビデオ)
・生まれながらのダウン症の子どもが普通学級で同級生に支えられながら成長する。同級生が語る「生まれて初めて、他の人に頼られた」
・子どもたちの話し合いで学校内外のゴミ拾いをしたグループ。イヤイヤ参加した子どももいる。その子が感想を語る「もうゴミ拾いはしたくないけど、ゴミを捨てないようにする」
・自然の中で宿泊体験と農作業に携わった子どもが語る「もっと居たい。帰りたくない」「お米を大切にする」。民宿のお父さん、お母さんと涙の別れ
・運動会で競争と応援団の活躍などに子どもの成長がリアルに語られる
これこそ教育の原点ではないでしょうか。
教科を効率的に教えることは大事ですが、教科で得た知識を生かし、主体的に判断する子ども。さらに大切だ。
教育は教えることと育てることによって成り立っています。目先の効率だけでなく、子ども意欲と主体性を育てること。学校行事に注目しよう。