「重大事件の取り調べは全過程を録音録画する。司法取引で刑を減軽―財政経済犯罪。通信傍受の対象事件を殺人、略取、誘拐、詐欺、窃盗に拡大―刑事訴訟法の改正案衆議院で可決」

「重大事件の取り調べは全過程を録音録画する。司法取引で刑を減軽―財政経済犯罪。通信傍受の対象事件を殺人、略取、誘拐、詐欺、窃盗に拡大―刑事訴訟法の改正案衆議院で可決」

昨日、衆議院本会議で刑事訴訟法の一部改正案と修正案が共産党を除く会派の賛成で可決された。

この内容は

①   被疑者の権利を守り誤審を防ぐために、殺人等重大事件で裁判員制度対象事件の取り調べは、原則全過程を録音録画し、公判で供述調書の任意性が争われた時は録音録画を証拠として提出する。

②   アメリカの司法取引制度を一部導入。財政経済犯や薬物銃器犯罪は、自白し他の犯罪事案について真実を述べれば検察官はそれを考慮して求刑(減刑)出来る。

③   通信傍受の対象を従来のテロや、麻薬事件などから拡大して、殺人、略取、誘拐、詐欺、窃盗の罪にも適用する。

これら改正の背景は、社会が複雑多岐になり、個人情報保護などの流れで、匿名性が増すと共に、IT技術が飛躍的に発達し犯罪捜査が困難をきわめるようになったこと。

そのために欧米並みに司法取引や通信傍受で証拠を固める手法を取り入れることが狙いだ。

さらに従来の自白中心が誤審冤罪を生んだことの反省に立って、裁判員裁判の対象となる重大事件の全過程を録音、録画して可視化することとした。

政府提案の原案に対して、司法取引の合意の協議に弁護士を立ち会わせる等、被疑者の人権に対する配慮事項が修正として付け加えられた。